めんへら子的「日々是躁鬱」

思いつくまま、さくさく言葉を走らせる。

うつ病患者は、優しくない

なにやらものすごくお叱りの言葉が飛んできそうなタイトルだ。
うつ病患者は優しくないだと?違うわ!思いやりがすぎるからうつ病になるんだろうが!!」
画面の前でしかめ面をしてブラウザバックしようとマウスに手をかけたあなた、そうあなたです、どうかこの記事を最後まで読んでいただきたい。

私は言おう、あえて言おう、うつ病患者は別に優しくも強くも真面目でもないと。


私はこう見えても(どう見えても?)、精神科の閉鎖病棟に閉じ込められていた時期がある。
今ではこんなハイテンションで文章を綴る私だけれど、自殺しようとしたこともある。
そうして連れ込まれた閉鎖病棟で、私はいろんな患者さんと出会った。


例えば統合失調症を発症したせいで奥さんと子供に出ていかれた上、薬の影響で二度と子供が作れない体になってしまった男性。
彼がいつもさみしそうに窓の外を眺めていたのを鮮明に覚えている。彼の見つめる窓の外はいつも枯れた雪景色だった。

また、親戚の借金を背負わされてうつになり、まともに食べることも出来なくなってついに倒れた女性もいた。

その他にも、家族のいない女の子、ブラック企業から逃げ出してきた男の人、とにかく沢山の人がいた。

私はその人達といっぱい話した話した。そしてわかった。

彼らは優しすぎる人達だった。

自分もずっとずっと苦しいだろうに、私が泣いているときは背中をさすりに来てくれた。悩んでいるときは話を聞いてくれて、孤独で心がどこかへ消えてしまいそうなときには抱きしめてくれた。

そんな、優しくて不器用ですこしくたびれた人達だった。

それだから彼らは病んだんだろうな。私はそう思ってる。
優しいから、優しすぎるから他人につけこまれて、借金を背負ったりブラック企業で倒れるまで働いたりしちゃうの。
私はそう思う。


だから、こういう人達がこれ以上その優しさにつけ込まれないように、これ以上病むことのないように、私はあえて主張します――うつ病患者は、別に優しくないのだと。
彼らは、聖人ではなくどこにでもいる普通の人なのだと……。

(今回の記事で語弊とかがあったらごめんなさい)


おわり。