めんへら子的「日々是躁鬱」

思いつくまま、さくさく言葉を走らせる。

「止まない雨はないんだから」

皆さん、タイトルの言葉にきっと聞き覚えがあることでしょう。

辛いとき、人生に絶望しているとき、「止まない雨はないんだよ」と声をかけられた経験がある人は多いと思う。
Jポップの歌詞にもありがちで、言っちゃ悪いけどとてもとてもありきたりな台詞。
どれだけ長く降り続く雨でもいつかは止み、晴れ間が差す――なんて常識だからね。

それで、私はこの言葉を聞くと、いっつも腑に落ちないなって感じる。
止まない雨はない、それは当然なんだけど、人生に天気予報はない。これも真実。
自分の人生に影を落とし、長く長く降り続く雨がいったいいつ止むのか知りようがないから、それだから私たちは悩み苦しみ藻掻くんだと思うの。
予報とか出来ればいいのにねほんと。

まあいいや。
とにかく、具体的にいつ晴れるか私たちには知る由がないんだから、苦しんでいる人に本当に必要な言葉はこれだと思う。

「いま君に降ってる雨が止むまでのあいだは、私が傍にいるからね」

え?台詞がくさい?やかましいぞバカタレ。


無責任に「止まない雨はないよ」って言うのは、例えるならどしゃ降りの雨の中で濡れて呆然としてる人に「そのうち止むからいいじゃん」って声をかけて通り過ぎるのとおんなじこと。
いやいやいや、それより傘の一本でも貸してあげなさいよって思わない?ないなら相合傘するとかさ、雨宿り出来る場所を教えるとかさ、なんか他に方法あるでしょバカヤロー。


……だから私は決めたんです。
できる限り、冷たい雨に降られてる人に寄り添いたいなって、そう思うんです。
まああんなくさい台詞は言えないけど、そういう心で寄り添いたい、ね。


おわり。